忍者の修行から学ぶ、古人のメンタル管理
忍者、昔から男の子の憧れの存在ですね。
たまたまテレビを観ていたら、なにやら忍者のことをやるというので、そのまま観てみました。
実はこの忍者という職業、武力・科学・心理等総合戦略集団であります。(今、私が勝手に命名しました)
現代のアメリカで言うと、まさにCIAってところなんでしょうか?
というのも、基本的に大集団での先頭を行う武士達とは異なり、少人数で、それも気付かれないように仕事をするという特徴から、常に「個」の状態で最高のパフォーマンスを発揮しないといけない人たちなんですよね。
敵の中で心を平常に保たなければならないそのプレッシャーたるや想像を絶するものがあります。
当時であれば、間違いなく「死」に直結しますからね。
さらには家族や一族にまで影響があるでしょうから。
さて、番組の中で現在の甲賀流忍術の宗家でいらっしゃる川上仁一さんが登場しました。
数年前に伊賀市を訪れた際に、忍者屋敷の職員さんにお名前を教えてもらっていた方です。
自分が武術をやっているというのもあり、興味はあったのですが、ご本人さんを初めて拝見することができてうれしかったですね。
番組では伊賀の忍者屋敷を会場にしてましたが、川上さんは甲賀流。
伊賀の忍者屋敷の職員さん曰く、伊賀流は現在は伝承が無いらしいです。
なので、川上さんが忍者関係施設の館長をされてたような。よく憶えませんが・・・
さて、今日の番組の中で自分のセンサーにひっかかったのは、実は武術ではありませんで、「心理」の世界です。
実は、忍者は修験道の要素を多分に取り入れていて、「ドロン」するときの例の独特のポーズがあるじゃないですか、片方の人差し指と中指を反対側の手のひらで握りこむやつ、あれを「印」というのですが、どうやら自分の精神状態をコントロールするための方法らしいです。
私がお世話になっている潜在意識研究・実践者の先生も、忍者は潜在意識のコントロールが上手だったと言われます。
なんと言っても、当時の日本人はほとんどの人が現代人と比べると精神世界の「超人」ですから、生半可な技術では任務の達成なんてできないんですよね。
オカルト的に言うと「霊の世界」とも交流できていたんじゃないかなと思います。
まあ、そういうマニアックな話はここではやめておきまして、「ああ、これって今流行しているメンタル制御法だよね」ってのが出てきました。
それは「呼吸法」です。
「息長(おきなが)」といって、吸うときに早く吸って、吐くときに長く吐くという呼吸法です。
呼吸は、 自律神経に作用して、吸うときには交感神経が、吐くときには副交感神経が優勢になります。
最近流行のマインドフルネスとか瞑想では、必ずといっていいほどこの呼吸を行いますね。
これを観ると、実は古来から人間はメンタルコントロールの技術をちゃんと確立していたといえますね。
こういう日本独自の「文化」を大切にしないといけませんね。
川上さん曰く、単に自分の心を落ち着かせるだけが目的ではなく、「そういう状態になって計画を巡らせる」のだそうです。
マインドフルネスになると、潜在意識が宇宙につながって、自分の目で見えないことでも見通せるようになるという話もあります。
失敗できない特殊な仕事を無事に達成するためですから、どれだけ一生懸命そういう技術の習得に努力したのでしょうかね。
ただ、この息長、川上さんは1分に1呼吸でやっておられましたが、そこまでのはきついと思いますね。
でも、普段の生活の中で、吸う息の長さよりも吐く息の長さを2倍にするとよいらしいですから、これは実践していきたいですね。
「印」にもそういう効果があって、番組の中では瞑想状態に近い「シータ波」が大きく出てましたね。
果たして、手で形作る「印の形そのもの」に力があるのか、それとも「印をつくる」という行為を活用して、自分のメンタルに働きかけるという仕掛けなのか。
この辺にはとても興味がありますね。
と、まあ、ここまではとても良かったのですが、忍者という職業が自分には絶対に合わないと思った瞬間が、その「仕事の仕方」ですわ。
忍者のメインの仕事は諜報活動ですが、守りの堅い家に取り入るためにどういう手法を使ったのかというと、ちゃんと記録が残っていて、
「家の前で仮病を装い、助けを求めるべし」ですって・・・
それも、念入りにプロセスが構成されていて、
一 その家の前を一定期間通行する(顔見知りになる)
二 この近所の人間であることを認識させてから、ある日家の前で具合の悪いふりをして助けてもらう。でも、その際は軽くお礼を言って帰るだけに留める。
三 後日、お礼を持ってやってきて、親しくなるように努める。お礼の品も、本人の好きなものじゃなくて奥さんとか子供が喜ぶものをもっていく
こうやって親しくなって、人の心の中に忍び込むのだそうです。
人の感情や欲望を利用するのだそうですが、これってやられた方はたまらなく嫌ですよね。
忍者ってお人よしには務まらないでしょうね、きっと。
人を信じられなくなることほど、生き辛いことは無い。
でも、こういうスタイルで生きられる人もいますから、そういう意味では気をつけたいものですね。
だけど、やっぱり忍者ってすごいわ!