自然の中の、自然とつながっている美術館

またもやかなりのインターバルをあけての投稿です。
ここ数年、自然の中に入って自分の感性を磨こうとキャンプに行くようになりました。まあ、世のブームにも乗っかっているのは間違いないですが、それはそれで、多くの人たちが自然に触れる機会を求めている証拠だろうと、それが今の日本人の意識の状態なんだろうと受け止めています。(自分も含めて)

で、昨日の夜から一泊したのが、九州大分県の豊後高田市の長崎鼻リゾートキャンプ場。
私には初めての海のキャンプになりました。
サイトからすぐ海で、さらに「夕陽サイト」と名が付けられているくらいで、夕陽のロケーションはなかなか綺麗でした。

翌朝、付近を散歩していると、キャンプ場には似つかわしくない新しい建物が建っている。メディアアートを紹介する看板が小さく掲げてあったので、せっかくの機会ということで入館してみることに。

展示は3つの部屋に分かれて構成されており、この展示は変更されることはなさそうだ。まさに、この3作品のために作られた美術館のようだ。
太陽と月の部屋、海の部屋、森の部屋 の3つ。

簡単に表現すれば、太陽と月の部屋は、現実に今この瞬間に太陽から降り注ぐ光を使って表現される作品。
ただ、残念なことにこの日は天気が曇りだったので、この作品の本領が最も発揮される条件ではなかったようだ。
でも、部屋の天井一面に設置されたたくさんの太陽と月を模した採光アートは、確かに、太陽と月から届く光を改めて感じさせてくれた。

海の部屋の表現は、天井から流れ落ちる水に投影される闇の中の光。
そしてその水に触れると、表情を変えていく。
水・・・

そして、最後の森の部屋。これはほぼ360度の筒状の部屋の壁面に投影される森の・・・何だろう、さまざまな自然の営み、まるでいろんな生物の蠢く目に見える姿ではなく、その中にある命のエネルギーみたいなものを表現しているのだろう。
ご存知の方が居られれば、私は「蟲師」に出てくる「蟲」のイメージにぴったりだった。
なんだかその部屋にずっと居た。

展示物を観終わって、出口から出ようとすると、美術館の方から説明があり、ここの美術館の作品はその土地周辺の自然から発せられる「なにか」とリアルタイムに連動して表現されているのだそうだ。
最初の「太陽と月の部屋」の太陽光はまさにそのまま太陽光ということ。
そして次の「海の部屋」は、国東の潮の満ち引きと。
そして、「森の部屋」は、国東に吹く風と。

要するにこの美術館の作品は、自然をメディアートというフィルターを通して芸術作品として私たちに伝えてくれているということなんだね。
まあ、周辺は自然公園でもあり、キャンプ場でもあるので、直接自然と繋がる、触れ合う手段とどちらも体験できるというわけだ。

まあ、キャンプする人は直接自然と触れ合うために来ているわけだが、「その場(長崎鼻)」が「自然との繋がり」をベースにできていることには大いに感動しましたね。

今回、天気が曇りだったので、「太陽と月の部屋」の最大の表現を目にすることはできませんでしたが、この部屋の表現は、きっと外の世界の光とはまた別の感動を私たちに与えてくれるでしょう。
次は、快晴の日を選んで訪れたいと思います。

不均質な自然と人の美術館
https://nature-and-human.art/

花とアートの岬 長崎鼻(リゾートキャンプ場の情報はこちらにも)
http://www.nagasakibana-oita.jp/

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