動物版画と西陣織の1日~芸術の秋~

今日は和の美術鑑賞三昧の1日でした。やはり芸術は人の心を癒しますね~

まず、訪れたのは萩市の山口県立萩美術館・浦上記念館

前から来たかった特別展の「プリティー♡プリント 江戸の花鳥版画展」です。

この特別展は、江戸時代の版画のうち、花鳥風月画を集めたものです。

会場内は当然に撮影禁止ですから、写真はありません。

ですが、版画には狂歌が書き込んであり、また、動植物の絵とともにその動植物の特徴であったり、俳句でどういうふうに使うとかいう解説が記載されていて、手書きの絵とともに文字で伝えるハイブリッドな作品となっています。

そこに描かれている花鳥風月は、西洋画のようにすごくリアルではないですが、それぞれの動植物の姿かたちの特徴をしっかりと表現するとともに、ある意味「動き」の特徴をも感じられるものでした。

要するに「変なポーズの鳥」なんかが描かれているわけです。

でもそれは、創作ではなくて、確かにそういう動きをすることはありますが、多分多くの人は「その瞬間」を描こうとはしないはずの絵です。

非常にレアな瞬間を切り取ろうとしている。

他には、細かいところまで描き込まない、ラフなイラスト集みたいなものもあって、確かに線の数は少なくてシンプルなのですが、特徴をしっかり捉えているので、逆に印象強いということに気がつきました。

解説にも、絵心の基本をしっかり作るための教本のようなものらしいということが書いてあったような・・・

そこで感じたことがひとつ

「想像を掻き立てる仕掛けは脳を豊かにする」かも、ということでした。

写真のようにリアルで本物を再現しているものよりも、「これは実物はどういう色艶なんだろう」「この動きはどういったときにするんだろう」とか、少し不完全だからこそ、絵そのものから発信される情報を受け止めるだけじゃなくて、自分の頭の中で実物のことを思い描く。

要するに「イメージを膨らませる」。

ある意味、昔のバーチャル体験、といってもいいんじゃないかなと。

現代のは、五感に入る情報がリアル。

昔のは、五感から入ってくる情報は不完全だけど、人間の頭の中で無限に広がっていく。

それが本当であっても、間違っていても、「心の広がり」はとても大きかったんじゃないかな、何て思っています。

そして、こうやって、言葉を操り、芸術を生み出し、イメージで遊んだり、現実には存在しないものを想像するなんていうことをやれる人間という生き物は、ただただ「すごいな」と感じたのでした。

「イメージ力」「想像力」ってすごく大事かも。

 

特別展からの帰りに施設内で見つけたこのチラシ

つい興味がわいて、会場もそう遠くないので行ってみました。

会場は、長門市の「ルネッサながと」。とても大きな文化・体育の総合施設です。

能とか狂言、歌舞伎の舞台にもなる施設で、毎年有名どころがやってきて公演をしてくれます。

地方の人間にとってはとてもありがたい施設です。

さて、このチラシの作品はというと、要するに京都の西陣織で日本の名宝を再現したというものでした。

会場に到着したときに、来訪者名簿を書かされて、周りには値札のついた商品がおいてあったので、「あ、商売か!」とやっと気付いたわけですが・・・(嫁からはバカにされましたが・・・)

しかし、展示してある西陣織はとてもすばらしいもので、横山大観や狩野永徳、伊藤若冲の作品が織物で細かいところまで再現されているのは驚きでした。

ただ、やはり入場無料は客寄せのため。ちゃんとセールストークもありました。

お聞きすると、京都西陣織の業者は昔は2千くらいあったらしいが、現在は二百程度

基本的には着物の帯などが主力商品だが、時代の変化で昔ほどの売れ行きはないため、こういった芸術作品の西陣織バージョンなどを作って販売しているのだそう

今日も、長門の呉服屋さんと共催でやっているとのことでした

ちなみに、縦の長さだいたい60センチくらいの掛け軸の伊藤若冲が40万円くらいなのだそうです。(!!)

いや~。すばらしいものとは理解するのですが、展覧会に来て「じゃあ、買おう」となれるほどの余裕は私にはまだありません。

それは伝えたのですが、こんな自分にも付き合ってくれて、もう少しお話を聞かせてくれました。

確かに高いのだけれども、トータルの作業時間で言えば、この作品を作るのに1年くらいかかるんだそうです。

まあ、糸をつむぐとか、そういった素材の部分まで含めたら、ということですが、いや、それこそが日本の伝統織物の代表選手である「西陣織」の価値なんだろうと思いましたね。

織物の表面を拡大鏡で見せてくれましたが、確かにすごい技術と言うか、「技」ですね。白く見える部分でも、たくさんの色の糸を使って深みを出している。

聞けば、西陣織の着物の帯になると、100万円以上なんて当たり前なのだそうです。

さすが、古来からの日本の都、京都という土地柄でもあると思います。

現在、この西陣織メーカーには20人くらいの職人さんがいらっしゃるということでした。

確かに、売れなければ商売は成り立たない。だから、こうやって着物の帯以外にも工夫してやっている。

単価の高い商品なので大変だろうとは思いますが、時代の流れに適応しつつ、日本のすばらしい伝統織物を守っていってもらいたいですね。

そして、自分も近いうちに、この西陣織の掛け軸を余裕の心で変えるくらいの人物になりたいと誓ったのでした。

本当に美しかったんです・・・

 

今日は、久しぶりに芸術を満喫できた1日でした。

 

 

 

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