妻の証言〜宴のあとを振り返る〜「超恥」

昨日は久しぶりに飲み会でした。

いつものように加減したつもりでしたが、結構お酒が進んだみたい。

目がさめると居間でした、という午前3時

自分がどうやってこの状態でいるのか全く記憶がない。

朝、そのことを妻に伝えると、次のような文章をしたためてくれました・・・

それも、なんだかノベル風に

 

はじまり

「 少人数の呑み会だから、そんなに遅くならないよ。21時くらいかな」

   主人は楽観的でした。片道20分ほどかかるという店まで歩いて行く余裕をかましていたほどです。

   とは言え、申告どおりに帰ってくることはまずありませんし、迎えを頼まれることもありますので、起きて待っていました。23時過ぎにドアを開ける音が聞こえてくるまで、大した心配はしていませんでした。酔っ払った主人にいつもいじり倒される愛猫が被害を避けようと素早く逃げたくらいです。

   事態はそれからです。

   リビングに入ってきた主人を見て、私は目を丸くしました。出掛けた時より明らかに育っている・・・!しかも外出時に着て行った、伸縮性のある、身体のラインが出やすいポロシャツが、歩きで帰ってきたことによる大量の汗でさらに貼り付き、孕んだのかというほど、それは見事な腹でした。

   腹に釘付けになっていると、最悪だ! と主人が怒鳴りました。呑み会の事を指しているのかと訊くと首をふりふりします。そして大きく息を吸って宣言しました。
「吐く!」

 

   主人はゆったりと、しかし勇ましい足取りでトイレへ向かいました。暫くすると、大音量でその儀式は始まったのです。それは、己の節度の無さを悔いる慟哭のようにも、何かよくわかんないけどやってやったぜ! という勝鬨(かちどき)のようにも聴こえます。とにかくあまりの声に、避難していた愛猫が走って私の許へやって来たほどでした。

   うちのアパートは、本当に静かな夜などには、どこかの部屋で営まれるピンク色の声が聞こえてくることがあります。私は苦々しく呟きました。絶対よその部屋に聞かれてるよコレ、と。

   儀式は三度で済んだようでした。リビングに戻って来た主人を見て、私は目を疑いました。
 ーー腹、元に戻ってんじゃね?

   さながらピッコロ大魔王が魔ジュニアを産むが如く主人は全身全霊をかけたのでしょう。しかしそもそも腹回りが元に戻るくらいって、何しに呑み会行ってきたんだアンタ。私はちょっと生温かい目で主人の腹を見ておりました。

   すると主人は、今まさに儀式を終えたばかりのその口で、私の口を吸おうとするではありませんか。主人はたまに理不尽な愛の確かめ方をする人なのです。私は全力で拒みました。命懸けでした。愛していてもそれは無理です。だって口ゆすいだかわかんなかったんだもん。

   そんなこんなで口づけを諦めたらしい主人は、ポロシャツを脱ぎ棄てると、その場に倒れこんでしまいました。ピクリともしなくなったので、死んでしまったのではと一瞬不安になり、主人の胸に手を当てて、呼吸や心音を何度も確認しました。口許に顔を寄せることはしませんでした。

   結論として、これが《死んだように眠る》状態なのだと納得し、床まで運べるはずもありませんから、放置して寝ることにしました。

   翌朝、この顛末を(特に儀式の部分を)再現してみせると、主人は他人事のように爆笑していました。

 

   全く覚えが無いそうです。

   酒は呑んでも呑まれるな、とは本当によく言ったものです。

   以上が私の証言です。

おしまい

 

 

お恥ずかしい・・・

お酒には気をつけましょう

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