ストレスを生み出すのは自分を支配している「考え方のくせ」
「いつも人とうまくいかない」
人が抱える悩みのほとんどは人間関係です。
そして、その人間関係による悩みを生み出すものは、自分の観念。
生まれてからこれまでの間に作られた、自分の価値観によるものと言えます。
価値観とは、自分にとって大事なもの。
社会一般的に大事なものとは異なります。
わかりますかね?
自分にとって大事なこと、正しいこと、好きなこと、いけないと思うこと、間違っていること、嫌いなこと、などなど、それは他の人と同じではありません。
それはわかる。観念や価値観だけを取り出して考えたなら・・・
だけど、これらの価値観が元になって人間の日常の行動が決まるわけで、「あの人のやることは理解できない」というのは、実は同じことを言っているわけですね。
この「理解できない」という否定的な評価がどのように発せられ、どのように受け取られているか。
「間違っている」「悪い」という他者批判であったり、「わかってもらえない」「どうせ俺が悪い」「他人から責められる」という自己否定になる。
どっちがどういう割合で起こるかは、他者との性格の噛み合わせなどで違ってくるわけだが、組織のリーダー的立場の人は、自分対他人の他人側がすごく多くなるだろうから大変だろう。
社長さん、校長先生、院長先生、市長さん
沢山のそれぞれ「考え方の違う人たち」をまとめたり、導いていく立場の人は、本当に大変だと思う。
もちろん、どちらの立場であれ、人は他人との関係の中で生きているので、多かれ少なかれこういった価値観の違いによる悩みというのは、その違いに基づいて他人を批判したり、その批判を真に受けて自己否定するところから生まれる。
ところで、考え方が違うということは「悪いこと」なのだろうか?
どちらかが間違っているということなのだろうか?
そんなことはないですね。
自分が正しくありたいがために、他人を否定して、批判して、自分が正しいという理由にしたい人もいるでしょう。
これで批判されたり、否定されたりした人は、結構傷つくでしょう。
でも、批判したり、否定したりということは、人の心の中で日常茶飯事に行われていること。
他人との価値観の違いが受け入れられない人は、強い弱い、勝ち負け、に関わらず、どっちもやっているんですよね。
それが悪いということは言いませんが、一番苦しい「自分を否定する」というのはやめた方がいいです。
落ち着いて考えたら、他人と考え方が違うのは「絶対的に悪いことではない」
これをしっかりと軸に置きたいものですね。
世界の偉人たちは、そのほとんどが批判され、否定されてきた人たちだ。
彼らが他人の価値観に負けていたら、現在の豊かな科学文明は生まれていなかっただろう。
だから、まずは自分が否定することをやめよう。
そして何より、自分を否定することをやめよう。
金子みすゞのように「みんな違って、みんないい」の精神を心の奥底までビッチリと、当たり前のように刻んでこそ、ストレスは軽減するはずだ。
そして、この価値観の違いに男も女もない。
「考え方のくせ」は、人によって異なる。なぜなら一人ひとり別の人間であるのはもちろん、生まれも育ちも、環境、関わった人、親との関係、全部違うから。
だから、一概には言えないのです。
そして、その違いの中で、自分の考え方に向き合えるのは自分だけ。
自分の中に作られた「考え方のくせ」を見つけ出し、違いを当たり前のことと受け入れられるようになるためには、カウンセリングという技術の力を借りるのが一番早い。
「考え方のくせ」によってストレス過多になるのは、決して恥ずかしいことではないのです。
誰でもなる可能性はある。
その時の環境が、自分にとって有利に働いたか、不利に働いたか、の違いだけ。
これは偶然の産物。
だけど、自分の「考え方のくせ」に早く気付くことで、その考え方をしている時の他人との関わり方に気づき、苦しいのであればそれを変えていくことができる。
まずは自分の「考え方のくせ」に気づくこと。
いつも一緒に生きてきたのに、まさに自分そのものと思っているから、「考え方のくせ」っていうのは、わからなくなってしまっているんですね。
みんな違う。ただ、それだけのこと。