小室哲哉引退について考えた〜不倫は裁かれるべきか?〜
先日、TM NETWORKのリーダー小室哲哉氏が音楽業界から引退するという記者会見がありましたね。
TMN、渡辺美里の曲は、どれも10代後半の青春時代の気持ちを代弁してくれた思い出深い楽曲です。
かつての音楽会の中心的な存在だった彼が引退する原因となったのが「不倫疑惑」というあまりにも芸能人らしいベタなスキャンダルだったのはとても残念な気持ちになりました。
しかし、その後ネットで語られるいろんな人のコメントを見ていると、報道のあり方について改めて疑問を禁じ得ません。
「病床の妻に隠れての不倫かもしれない」という記事はたしかに「事実」なのかもしれない。
ですが、報道が「それを社会に告げる意味」とはなんだろう?
正妻がいるのに浮気をする不誠実を正すためか?
小室哲哉という音楽会のビッグネームが不倫らしき振る舞いをしたということに興味を抱く読者からその情報の対価を得るためか?
この報道機関は、個人のプライバシーをしつこく追い回して金に変えることを生業としていると思われてもおかしくないこれまでの実績を持ちますが、こういう行為に対して国民がお金を払い続ける以上、これからも続いていくことでしょう。
だって、儲かるんだもん。
それが事実であるならば、あえて報道するなとも言えないかもしれませんが、ここで私たちが気をつけるべきは、「この事案から生み出される自分の中の反応パターン」だと思います。
「不倫の疑いをかけられた人が吊るし上げられて、社会からのバッシングを受けて社会的立場を失った」
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「どんな理由があれ、不倫したと疑われたら、社会から抹殺される」もしくは「不倫の疑いがあれば、社会から抹殺されて当たり前」
前にも書きましたが、不倫を推奨したり正当化するつもりはありませんが、これは「社会が罰してよいものなのでしょうか?」
正妻との間での争いにこそなれ、検察が起訴するような内容では無いはずです。(奥さんは普通怒るでしょう)
要するに、一夫一婦制という制度にはそぐわないが、司法が罰するものではない。
なにしろ非嫡出子の認知制度があるわけですから、社会の善悪を司っている司法の世界から言っても「そういうこともあるさ」程度のことなんだろう。
これは大昔からどこの国にもあったことだ。
江戸時代なんてめちゃくちゃやってた。それも大名なんて制度として。
世界中の国王ですら、大統領ですらやっていることだ。
それも、一夫一婦制の思想の根源となったキリスト教文明圏においてもだ。
ちなみに、現代日本の道徳観は、明治維新や第2次大戦後に他国によって組み込まれたキリスト教圏の倫理観によるものが大きいという話を聞いたことがある。
日本人古来の倫理観と、現代社会のそれとは実は異なっているんじゃないか?
これって日本人の価値観なのか?
浮気とか不倫なんて、「人間なんだから、そういうときもあるさ」程度じゃ無いのかな?
バレちゃって謝るべきは奥さんに対してであって、何の関係もない人たちにじゃない。
本当は私たちは関係ないはずだ。
それをあたかも社会正義の執行者であるかの如く批判し、制裁を押し付けるような機運を高めることは、プロパガンダによる魔女狩りをしているに過ぎないと言えないか?
そして、このような報道に反応してしまった私たちはその一翼を担ったとも言える。
もしも、奥さんの方が「男の甲斐性だから、しょうがないですよ(笑)」って言ったら、皆さん、どう反応します?
歴史ドラマなんかではそういう場面ありますよね?
争いが生じるのは、婚姻の当事者間であって、縁もゆかりもない他人との間じゃあない。
私が気にするのは、こういう報道からの情報が繰り返しインプットされる中で、知らず知らずのうちに魔女狩りの一味に組み込まれていき、全くその権限がないにも関わらず、簡単に他人を裁いてしまうことが当たり前になってしまうことだ。
そしてその善悪のジャッジメントは、当然において自分の生き方にも向いてしまう。
いつ、どうなるかわからない人間の一人であるにもかかわらず。
そして、単純で強烈な善悪のジャッジメントのクセは、簡単に他人に利用される可能性が高い。
「悪」は許してはならない、という思い込みが生み出す、ごく当たり前の条件反射だからだ。
かつて太平洋戦争の始まりがそうであったように。
鈴木雅之の奥さんは「別にいい」ってさ
小室哲哉のことをアップしたら、今度は鈴木雅之の不倫報道が(笑)。
でも奥さんは「芸の肥やしになるから」認めてるんだって。器が大きい!
不倫相手も「離婚してくれ」なんて言わずにみんな「それでいいの」って思っているとしたら、こんな報道なんて「本当に迷惑な、余計なお世話」のような気がします。
「価値観の多様化する社会」とか言いながら、自分たちの飯のタネになることについては価値観が絶対に変わってはならないのね(笑)
Yahoo!ニュース 鈴木雅之 糟糠の妻も黙認する40代美魔女との“二重愛生活”(女性自身より)